金属の需給赤字・在庫・リサイクル|ストックとフローの読み方 | SG Group
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Metals解説 · 最終内容確認 Read in English
METALS GUIDE 07 — STOCKS & FLOWS

金属の「不足」を誤読しない:需給赤字・在庫・リサイクルの測り方

「今年は供給不足」「取引所在庫が減少」「リサイクルで不足を補える」。三つは似た方向の話に見えますが、測っている対象も時間も違います。需給赤字は一定期間の流入と流出の差、地上在庫はある時点までに蓄積された金属、取引所在庫は特定仕様・場所で報告される一部分、リサイクルは回収可能性ではなく実際に戻ったフローです。本稿は、金属市場のストックとフローを同じ単位・境界・日付へそろえ、「不足」という言葉を検証可能な数量へ変える方法を解説します。

この記事が役立つ方: 金属の需給レポートを読み比べる方、在庫減少と価格を直結させずに検証したい方、一次供給とリサイクルを二重計上せずシナリオ化したい方。

最初に押さえる要点

THE METAL RESERVOIR

赤字は一年の流量、在庫は時点の貯水量

一次流入鉱山から製錬・精製された当期供給。能力ではなく実生産・販売段階を確認。
二次流入新スクラップと使用済みスクラップのうち、当期に回収・処理され戻った金属。
工程・商流在庫鉱山、港、製錬所、加工業者、商社、顧客、輸送中にある複数形態の金属。
観測可能在庫LME倉庫、COMEX指定保管施設、ロンドンvaultなど、定義付きで公表される一部分。
使用中ストック建物、送電網、車両、機械、宝飾品など社会で機能している蓄積量。
回収・損失寿命到来後に収集、再使用、再溶解、再精製へ進む量と、散逸・埋立・保管される量。
期末ストック = 期首ストック + 当期流入 − 当期流出。需給バランスは、その一部の境界を切り取った期間フロー。
同じ金属でも、鉱石・精鉱・地金・スクラップは直ちに代替できません。各箱には品質、場所、所有権、報告日、実際の利用可能性という条件があります。
需給バランスの定義

「供給不足」は年次フローの差であり、在庫の残量ではない

金属の需給赤字とは、定義した期間・地域・製品段階で、測定した供給が測定した需要または使用量を下回る差です。 典型的には暦年または四半期の精製金属市場を対象にします。赤字が40万トンなら、その期間に需要を満たすため、報告対象外の供給、在庫取り崩し、輸入、代替、節約、需要延期などの調整が合計40万トン必要だった、または推計に同規模の残差があるという意味です。地中資源が尽きた、倉庫が空になった、翌日の受渡しが不能という意味ではありません。

最初に境界を固定します。mine productionは鉱山から得た金属含有量、refined productionは製錬・精製後の金属、fabrication useは板・線・合金などへの加工投入、final useは最終製品・地域の需要を指し得ます。精鉱、アノード、カソード、直接溶解スクラップを一列に足すと、工程をまたいで同じ金属を複数回数える危険があります。銅ならICSGのrefined balance、金なら鉱山供給・再生供給と宝飾・投資等のフローなど、発行元が採用する表の定義を保存します。

一期間の市場バランスを表す概念式市場バランス = 定義内の供給 − 定義内の使用量供給 = 一次生産 + 定義内の二次生産 + 純輸入 ± 対象とする調整期末在庫 = 期首在庫 + 市場バランス + 境界外からの純移動 + 統計残差実際の公表表では符号、stock change、輸出入、政府放出、producer inventoryの扱いが異なります。式へ数値を入れる前に原表の注記を優先してください。

「一次生産+リサイクル=総供給」という表でも、リサイクルがsecondary refined metalだけなのか、加工工場で直接溶解されるスクラップまで含むのかで合計は変わります。需要側がrefined usageならdirect-melt scrapを供給へだけ足してはいけません。逆にtotal fabrication inputを測るなら、精製金属と直接溶解スクラップを供給側・投入側の両方で同じ境界へそろえます。差が合わないときは推測で埋めず、statistical discrepancyとして残します。

在庫の層

取引所在庫、流通在庫、社会の地上在庫は同じ箱ではない

above-ground stockは、地上に存在する金属全般を指し得る広い言葉です。精製地金だけでなく、工程品、使用中の建物・機械・車両・電子機器、宝飾品、投資用地金、使用済みだが未回収の製品まで含める研究があります。一方、market inventoryは比較的短期に市場へ供給できる地金や材料を指すことが多く、exchange inventoryはさらに狭く、取引所が指定する品質・ブランド・形状・場所・報告制度に入る量です。大きな社会ストックがあっても、その全量を今月の不足へ動員できません。

金属在庫を六つの層へ分ける
在庫の層代表例観測できることその数値だけでは分からないこと
取引所warrant在庫LME live/cancelled、COMEX registered等契約仕様を満たす指定場所の報告量最終需要、所有者の売却意思、全世界の在庫
取引所周辺・off-warrantLME報告対象のwarrant外金属等定義対象の地域・倉庫にある追加量非報告倉庫、全量の即時受渡可能性
貴金属vault保有LBMA London Vault Data対象custodianがロンドンで保管する金・銀宝飾品、小規模vault、ロンドン外、自由に売れる量
生産・加工・商流鉱山、製錬所、加工業者、商社、顧客、輸送中企業・統計が開示する範囲の工程バッファー形態間の換算、非公開在庫、二重計上
使用中ストック建物、系統、車両、機械、宝飾品社会に蓄積された潜在的な将来資源寿命前に回収できる量、回収時期と費用
使用済み・休眠ストック保管端末、未解体設備、廃棄物、未処理スクラップ回収候補の物理的上限の一部収集率、含有量、合法な流通、実回収量

同じトン数でも純金属含有量、品位、形状、場所、報告時刻が異なります。系列を合計する前に重複と換算係数を確認してください。

LMEは承認倉庫についてopening・closing stocks、入出庫、live/cancelled warrants、off-warrant stockなど複数の報告を公表します。cancelled warrantは出庫意図を示し得ますが、消費済みを意味せず、再warrant化や別倉庫への移動もあり得ます。COMEXのregisteredとeligibleも、品質を満たす金属すべてが同じ受渡状態にあるわけではないことを示します。状態変更を需要と決めつけず、場所別の入出庫、現物premium、期限構造を同じ日付で見ます。

LBMA London Vault Dataは、対象となるロンドンのcustodianが保有する金・銀を月末時点で集計し、Bank of Englandの金保有を含む一方、宝飾品、対象外の小規模vault、個人・小売の保有などは含まないと説明しています。vault総量は市場を支える物理基盤の一つですが、その全量が販売可能な浮動在庫ではありません。所有権、担保、ETF等の保有目的、bar仕様、移動に必要な時間を無視して「需要何か月分」と断定しないことが重要です。

赤字から価格への橋

在庫の取り崩し、期待、品質、場所を通らなければ価格方向は決まらない

価格は将来も含む限界的な売り手と買い手の条件で決まり、年次需給表は過去または予測の集計です。赤字が発生しても、十分な流動在庫が低い費用で放出されれば、現物premiumや価格の反応は小さい場合があります。反対に年次では均衡でも、特定地域の承認ブランドが今すぐ必要なのに輸送・精製が間に合わなければ、局地的な逼迫、backwardation、premium上昇が起こり得ます。「年間トン数」と「指定日に指定場所へ届く数量」の間に可用性の橋を置きます。

市場が不足をいつ知ったかも重要です。広く予想された将来赤字は、先物曲線、在庫積み増し、鉱山投資、代替設計、長期契約へ前もって反映され得ます。実績値が赤字でも予想より小さければ価格が下がることがあり、予測が黒字でも急な供給障害や需要上振れで価格が上がることがあります。公表日の値動きを説明するときは、事前予想、発表値、過去値の改訂を分けます。

需給材料を価格へ接続するときの確認表
観測整合し得る説明追加で確認する反証材料
年次赤字+見える在庫減不足分の一部を報告在庫が吸収off-warrant、輸送中、スクラップ、需要延期、改訂
年次赤字+見える在庫増別地域在庫の移動、需要定義差、先回り在庫地域premium、輸出入、warrant化、系列境界
黒字+backwardation近接期日の受渡可能金属が局地的に不足ブランド、場所、貸借、倉庫待ち時間、期月
低在庫+価格下落期待需要の悪化、通貨・金利、ポジション解消現物注文、稼働率、予想差、流動性
高価格+リサイクル増回収・在庫放出の採算改善寿命到来量、収集能力、処理遅延、品質

これは因果関係の候補です。一つの行だけで売買判断や価格予測を確定しないでください。

価格との対応は、①数量のsurprise、②利用可能在庫、③現物premiumと期限構造、④通貨・金利・資金調達、⑤投機・ヘッジのポジション、⑥代替と需要抑制に分解します。金属価格の単位やLME Cash・先物などの違いは金属価格の仕組みで確認できます。銅の鉱山・精鉱・製錬・カソード・スクラップを段階別に追う場合は銅市場ガイドへ進み、本稿の汎用枠組みを具体化してください。

リサイクル指標

「リサイクル率」は分子と分母を言わなければ比較できない

金属リサイクルでは、製造工程で発生するnew scrapと、使用済み製品から戻るold scrapまたはend-of-life scrapを分けます。new scrapは組成が分かり、同じ工場や加工工程へ早く戻りやすい一方、old scrapは製品寿命、回収制度、解体、選別、輸送、分析を経ます。高品位材は直接再溶解できても、複合製品や合金、不純物を含む材は製錬・精製が必要です。「理論上含まれる金属」と「当期に市場規格へ戻った金属」は別です。

UNEP International Resource Panelはend-of-life recycling rate、recycled content、old scrap ratioなど異なる指標を区別し、金属間で回収可能性が大きく違うことを示しています。USGSのrecycling flow studiesもold scrap generated、old scrap supply、recycling rate、recycling efficiencyなどの定義を明示します。古い研究値は現在値として使わず、指標設計の参照にします。新しい公表値と比較するときも、推計年、国、製品、輸出入、在庫変化の扱いをそろえます。

よく混同される五つのリサイクル指標
指標概念的な分子概念的な分母主に答える質問
収集率正式に収集された使用済み製品・金属収集対象として発生した使用済み量回収網へ入ったか
使用済み品リサイクル率使用済み品から機能的に再生された金属使用済みとなった金属寿命後に金属として戻ったか
リサイクル効率処理後に回収された金属リサイクル工程へ入った金属選別・製錬でどれだけ保持したか
再生材投入率当期の二次原料・再生金属投入当期の原料投入・金属生産現在の供給を再生材がどれだけ担うか
再生含有率製品に含まれる再生由来金属製品に含まれる全金属製品構成に再生材がどれだけあるか

正式名称と式は発行元により異なります。表は比較前に分子・分母を確認するための概念整理です。

工程を掛け合わせる回収量の概念式当期の再生金属 ≈ 寿命到来金属 × 収集率 × 選別歩留まり × 製錬・精製回収率利用可能な二次供給 = 再生金属 − 品質不適合 − 工程・物流・在庫の時間差各率は製品、地域、金属濃度、合法な流通、設備能力で変わります。一つの世界平均を全用途へ適用しないでください。

二重計上の典型は、secondary refined productionへold scrapを原料として既に含めた後、同じold scrap supplyをもう一度総供給へ足すことです。直接溶解スクラップも、refined metal balanceの外に置く表と、fabrication inputへ含める表があります。輸出されたスクラップは発生国の収集には入っても、再生金属の生産国は別かもしれません。マスバランスには金属含有量、国境、工程、所有権ではなく物理的な移動を一貫して適用します。

製品寿命と供給遅延

社会に大量の金属があっても、今年のスクラップとは限らない

社会ストックは将来のurban mineですが、製品が機能している間は当期供給ではありません。缶や製造端材のように短期で循環する用途と、車両、機械、建物、送電網のように十年以上使われる用途を一つの平均寿命へまとめると、回収年が歪みます。同じ製品でも早期故障、修理、再使用、中古輸出、長期保管があり、寿命は一点ではなく分布です。過去の販売・建設cohortへ寿命分布を適用し、地域移動と金属含有量の変化を追います。

需要が急増して社会ストックを積み上げる初期には、現在の投入量が過去cohortから戻る使用済み量を上回りやすくなります。そのため高い最終回収率を仮定しても、直近の追加需要を同じ年のリサイクルだけで埋められない場合があります。IEAのcritical minerals recyclingシナリオも、寿命到来feedstock、収集、処理能力、政策を条件として将来の二次供給を評価します。「技術的に再生できる」と「必要な年に必要量が戻る」を分けます。

cohort法で寿命到来量を置く概念式年tの寿命到来量 ≈ Σ(過去年の製品販売量 × 製品当たり金属量 × 年齢別廃棄確率)年tの回収金属 ≈ 寿命到来量 × 収集率 × 処理歩留まり中古品の輸出入、部品再使用、休眠保管、設計変更、散逸用途は別途調整します。値は予測であり実績と区別してください。

処理能力の公表も三段階に分けます。nameplate capacityは設計上の最大、operational capacityは稼働可能、actual throughputは当期に原料を処理した量です。大きな工場計画があってもfeedstock不足、立上げ、許認可、回収網、品質、採算で稼働率は低くなり得ます。反対にスクラップが豊富でも、分析・選別・製錬能力や危険物輸送規則がボトルネックになります。設備能力と回収可能量の小さい方を上限にし、歩留まりを掛けます。

完全な架空例

40千トンの赤字を、在庫ゼロや価格上昇へ飛躍させない

以下は定義合わせを示すための完全な架空例で、特定金属の現在値、将来予測、投資判断ではありません。ある世界精製金属市場で、当年のprimary refined productionを900千トン、old scrap由来を含むsecondary refined productionを160千トン、refined usageを1,100千トンとします。報告対象の利用可能在庫は期首120千トンです。direct-melt scrap 140千トンは精製工程を通らず加工へ入るため、このrefined balanceの供給・使用量の両方から除外します。

架空の一年間マスバランス
項目数量境界上の扱い誤読しやすい点
Primary refined production900千t精製供給へ加算鉱石・精鉱生産と重ねない
Secondary refined production160千t精製供給へ加算原料old scrapを再度加えない
Refined usage1,100千t精製金属の使用量最終製品需要と同一とは限らない
Refined market balance−40千t1,060 − 1,100在庫残高ではなく年次差
期首の対象在庫120千tストックとして別掲社会全体の地上在庫ではない
Direct-melt scrap140千trefined balanceの外総加工投入で使うなら両側へ含める

単位は金属含有量の千メトリックトンと仮定します。数字と市場はすべて架空です。

架空例の計算精製供給 = 900 + 160 = 1,060千t精製バランス = 1,060 − 1,100 = −40千t他の移動・誤差がゼロなら期末対象在庫 = 120 − 40 = 80千t総加工投入の別表示 = 精製1,100 + direct-melt scrap 140 = 1,240千t実際には輸出入の期間差、未報告在庫、工程在庫、測定誤差、改訂があり、赤字全量が一つの公表在庫から減るとは限りません。

この例では赤字40千トンがすべて対象在庫から出たと仮定しても期末は80千トン残ります。さらに、その在庫がどの場所・品質で誰に保有され、どの速度で放出できるかは分かりません。価格反応を考えるには、40千トンが事前予想より大きいか、現物premiumとcurveがどう変わったか、需要削減や代替が起きたかを追加します。翌年予測へは、在庫が減った分だけ同じ赤字を無期限に継続できないという制約も置きます。

  1. 表題を読む: mine、refined、fabrication、final demandのどのbalanceか確認する。
  2. 単位を統一: gross weightではなく含有金属量、トンとトロイオンスをそろえる。
  3. スクラップを追跡: direct meltとsecondary refinedの入口・出口を一度だけ数える。
  4. 在庫を別表へ: 期首・期末、場所、状態、報告範囲を保存する。
  5. 残差を残す: 合わない差を価格方向で埋めず、改訂時に原因を照合する。
検証ダッシュボード

数字より先に、定義・日付・改訂履歴を一枚へ固定する

実務では、行を一次精製、二次精製、直接溶解、輸出入、使用量、取引所在庫、off-warrant、その他報告在庫、現物premium、期限構造へ分けます。列にはunit、metal content、product stage、geography、observation period、publication date、actual/estimate/forecast、gross/net、seasonal adjustment、revision、source URLを持たせます。月次と年次を無理に同じ頻度へ補間せず、各系列の情報到着日を残します。

SG Groupの無料マクロ調査ワークベンチは、選んだ公開系列の出所・観測日・変換式を整理する補助に使えます。マクロ統計の発表時刻や改訂の読み方はFX経済指標カレンダーの解説へ送り、本稿では重複して一般的な指標売買を説明しません。まず物理市場の仮説を数量化し、価格・為替・契約の損益計算は別シートに保ちます。

金属CFDや先物を検討する場合、需給分析から契約数量を推測してはいけません。業者の最新仕様で参照価格、1ロットの数量、通貨、最小変動、spread、手数料、overnight費用、限月・調整、最大損失可能性を確認し、無料取引コスト計算機へ入力します。ワークベンチも計算機もライブ在庫を網羅せず、価格方向、商品の適合性、利益を判定しません。

  1. 問いと境界を一文で固定

    金属、製品段階、地域、期間、単位、gross/netを宣言します。

  2. ストックとフローを別表へ

    期首・期末在庫と、期間内の生産・使用・回収・移動を分離します。

  3. スクラップの経路を一度だけ追跡

    new/old、direct melt/secondary refined、輸出入をラベル化します。

  4. 見える在庫の範囲を保存

    取引所、場所、warrant状態、報告遅延、データライセンスを記録します。

  5. 予想差と反証条件を設定

    赤字幅だけでなく事前予想、premium、curve、需要反応を照合します。

  6. 改訂版を上書きしない

    各vintageを残し、供給・需要・在庫・残差のどこが変わったか説明します。

  7. 契約リスクを別計算

    取引する場合だけ、公式仕様と許容損失から数量・全費用を計算します。

Flow期間内の量生産、使用、回収、輸出入、stock change
Stock時点の残高場所、形態、所有、利用可能性が必要
Vintageその時点の情報実績、推計、予測、後日の改訂を保存

よくある質問

金属の需給赤字とは何ですか?

定義した期間・地域・製品段階で、供給が使用量を下回るフロー差です。地上在庫や取引所在庫がゼロという意味ではありません。一次・二次供給、輸出入、stock change、統計残差の扱いを原表で確認してください。

需給赤字なら金属価格は必ず上がりますか?

必ずではありません。事前に予想されていたか、利用可能在庫、品質・場所、現物premium、期限構造、通貨・金利、需要抑制、投機・ヘッジがどう動くかで反応は変わります。実績が予想より弱ければ赤字でも価格が下がる場合があります。

LMEやCOMEXの在庫は世界の金属在庫ですか?

いいえ。指定品質・ブランド・形状・場所と報告制度に入る在庫です。warrant状態やregistered/eligibleなども区別されます。工場、商社、輸送中、非報告倉庫、製品中、スクラップなど世界の地上在庫全体を表しません。

リサイクル率が高ければ鉱山供給は不要になりますか?

通常そのようには言えません。製品寿命、需要増、収集率、選別・精製歩留まり、品質、処理能力、在庫遅延があります。社会ストックが増える局面では、当年の寿命到来スクラップが追加需要に追いつかず、一次供給と二次供給の両方が必要になり得ます。

金属の在庫データを比較するとき最初に何を確認しますか?

金属含有量の単位、製品形態、場所、観測日、報告遅延、warrant等の状態、カバレッジを確認します。その後、期首・期末残高と入出庫フロー、現物premium、期限構造を照合し、倉庫間移動を消費と誤認しないようにします。

根拠資料と確認先

  1. U.S. Geological Survey — Materials Flow and Recycling鉱石採掘から製品、廃棄、リサイクルまでのmaterial-flow研究への公式入口。個別資料の対象年と地域を確認してください。
  2. U.S. Geological Survey — Overview of Flow Studies for Recycling Metal Commodities (Circular 1196-AA)new/old scrap、recycling rate、recycling efficiency、stock changeを区別する定義とフロー図。歴史資料であり現在率ではありません。
  3. UNEP International Resource Panel — Recycling Rates of Metals: A Status Reportend-of-life recycling、recycled content等の指標と金属ごとの差を整理した国際評価。2011年の推計を現在値として扱わないでください。
  4. International Energy Agency — Recycling of Critical Minerals製品寿命、feedstock、収集、処理能力、政策を含む二次供給シナリオ。実績と条件付き予測を区別してください。
  5. London Metal Exchange — Warehouse and Stock Reportsopening/closing、live/cancelled warrants、入出庫、off-warrant等の公式報告範囲と公表遅延。
  6. London Bullion Market Association — London Vault Data対象custodianのロンドン金・銀保有について、時点、地理、含むもの・含まないものを説明する公式データ。
  7. International Copper Study Group — World Copper Factbook 2025鉱山、製錬、精製、使用、在庫、リサイクルの段階と銅統計を照合するための政府間研究機関資料。

編集方針: 公的機関、取引所、ベンチマーク管理機関、業界団体の一次資料を優先し、事実、推計、予測、架空例を区別しています。需給数値、契約仕様、制度、費用は更新されるため、判断前にリンク先と利用先の最新版を確認してください。

重要事項: 本稿は金属の需給、在庫、リサイクル統計を読むための一般的な教育資料です。投資助言、売買推奨、価格・不足予測、利益の保証ではありません。需給表、在庫区分、リサイクル率、製品寿命、取引所規則は推計・改訂・変更されます。現物、先物、CFD、ETP、鉱山株は所有権、価格参照、費用、レバレッジ、流動性、損失可能性が異なります。一次資料と利用商品の最新仕様を確認し、必要に応じて資格ある専門家へ相談した上で独立して判断してください。