結論から言うと、Strategy Tester内のダウンロードは「いま表示しているタブ」のデータを書き出します。取引ごとに分析したいなら、まずList of Tradesタブを開いてから出力します。この記事では3種類のCSVの違い、出力手順、読み込みエラーの直し方、そして無料ラボへの取り込みまでを図解します。
この記事の要点
Strategy Tester内のダウンロード操作は、いま表示しているタブのデータを書き出します。取引ごとのエントリー・決済・損益を分析したいなら、List of Trades(取引一覧)タブを開いてから出力してください。集計KPIだけならPerformance Summary、価格の履歴が欲しいだけならチャートデータCSVです。ボタン名やアイコンはバージョン・言語で変わり得るため、出力直前に公式ヘルプで表示名を確認します。
TradingViewでバックテストを回した直後は、「Strategy Reportの画面は開けるのに、どのデータを書き出せばよいか分からない」という状態になりがちです。原因はシンプルで、同じダウンロードアイコンでも、表示中のタブによって中身がまったく別のファイルになるためです。まずは全体像を押さえたい場合は、親記事のTradingViewバックテストの全体像(BT01)を先に読むと、この記事の位置づけが分かりやすくなります。
この記事のゴールは、正しいタブから正しいCSVを取り出し、文字コードや列を整えて外部分析へ進めるようにすることです。以降では3種類のCSVの違いから順に、実務で詰まりやすい箇所を1つずつ解消していきます。
TradingView周辺で手に入るCSVは、大きく3種類に分かれます。名前が似ていても中身と用途が異なるため、最初にここを切り分けておくと迷いません。
Strategy Testerが出力する、バックテストのKPIと取引明細。List of Tradesタブなら1取引ごとの行が得られます。
取引分析に最適時刻ごとの価格(OHLCや出来高)。相場環境の把握には有用ですが、売買の履歴は含みません。
取引分析には不向き実口座やペーパートレードの約定履歴。実運用の記録には使えますが、バックテストの結果とは別データです。
バックテストとは別物| 種類 | 主な中身 | 出力元 | 取引単位の分析 |
|---|---|---|---|
| ストラテジーレポートCSV | KPI集計/取引明細(タブ依存) | Strategy Tester | 可能(List of Tradesを選ぶ) |
| チャートデータCSV | 時刻ごとの価格(OHLC・出来高) | チャートのエクスポート | 不可(売買履歴がない) |
| ブローカー取引データCSV | 実口座・ペーパーの約定履歴 | 取引パネル/口座履歴 | 実運用の記録用(別データ) |
つまり、バックテストの取引を分析したいなら選ぶのはストラテジーレポートCSVのList of Tradesです。以降はこれを前提に進めます。
大きな流れは「ストラテジーを開く → Strategy Testerを表示 → タブを選ぶ → ダウンロード → ラボへ読み込む」の4段階です。まず全体像を図で押さえます。
対象のストラテジー(戦略)をチャートに追加し、銘柄・時間足・期間を意図どおりに設定します。ここで選んだ条件がそのままCSVの前提になります。
チャート下部のStrategy Tester(ストラテジーテスター)を表示します。Performance Summary、Trades Analysis、List of Tradesなどのタブが並んでいます。
取引ごとの明細が欲しいならList of Tradesを開きます。ダウンロードは表示中タブを書き出すため、この選択が最重要です。
パネル右上のダウンロード操作でCSV(環境によりXLSX)を保存します。開いたら文字コード・区切り文字・日付形式が想定どおりか確認します。ボタン名や出力形式は変わり得るため、公式のストラテジーデータ書き出しヘルプで表示名を確認してください。
Strategy Testerの各タブは、それぞれ粒度と用途が違います。何を分析したいかでタブを選び分けます。以下は架空の教育用データを使った例示です。
| タブ | 粒度 | 得られる例(架空) | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| Performance Summary | 全体集計 | 総取引128・PF 1.42・最大DD -8.6% | 戦略の全体像をつかむ |
| Trades Analysis | 分類集計 | 勝率 57.8%・平均利益 +1,425 | 勝ち負けの内訳を見る |
| List of Trades | 1取引ごと | 128行の明細(入出・損益・累積) | 外部での詳細分析に使う |
Performance Summaryは全体像の把握に便利ですが、明細がないため連敗の並びや個別トレードの検証はできません。1取引ごとの分析にはList of Tradesが必要です。各KPIの読み方そのものは、プロフィットファクターや期待値などの指標解説(BT03)で詳しく扱っています。
CSVは数字の羅列に見えても、背後の前提が分からないと正しく解釈できません。ファイルを開く前に、次の項目を控えておきましょう。いずれもバックテストの条件を再現・比較するために欠かせません。
手数料・スリッページを入れないバックテストは、実運用より良く見えがちです。反映方法とストレステストはコスト・スリッページのストレステスト(BT09)で解説しています。
List of TradesのCSVには、取引番号・種別・日時・価格・数量・損益などの列が並びます。列名はバージョンや言語で変わり得るため、固定仕様として断言はできません。当ラボは汎用の列マッピングに対応しており、元のCSV列を分析用の項目に対応づけて読み込めます。
Run-up(含み益のピーク)とDrawdown(含み損のボトム)の列がある場合は、決済効率の分析に使えます。この観点はバックテストの全体像(BT01)でも触れています。列名が想定と違っても、意味が一致する分析用項目に手動で割り当てれば問題ありません。
CSVが読み込めない・列がずれる・文字化けする——多くは次のどれかが原因です。順番に切り分けると、ほとんどのケースは解決します。
読み込み前の確認項目を、静的な表とインタラクティブなチェックリストの両方で用意しました。入力内容はこの端末内だけで集計し、ファイルや入力値をネットワークへ送信することはありません。
| 分類 | 確認項目 |
|---|---|
| タブ | 出力元がList of Tradesであることを確認した |
| 前提 | 期間・銘柄・時間足を控えた |
| 前提 | 建玉通貨・初期資金を控えた |
| 前提 | 注文サイズ(固定/割合/複利)を控えた |
| コスト | 手数料・スリッページ設定を控えた |
| 時刻 | タイムゾーン(チャート/取引所)を確認した |
| 形式 | 文字コードがUTF-8か確認した |
| 形式 | 区切り文字(カンマ/セミコロン)を確認した |
| 整合 | 未決済(オープン)取引の有無を確認した |
| 安全 | 個人情報・不要な列を削除した |
確認できた項目にチェックを入れると、「準備済み」と「要確認」の件数が更新されます。送信は行いません。
確認できた項目にチェックを入れてください(現在 0 / 11)。
前提とファイルが整ったら、SG GroupのTradingViewバックテスト分析ラボにCSV/XLSXを読み込みます。無料版で主要KPI・エクイティ/ドローダウン・モンテカルロ・ストレステストまで、回数無制限で試せます(無料範囲は変わり得るため、最新はプランページで確認してください)。
List of TradesのCSV/XLSXをラボにドラッグ&ドロップします。アップロード前に、個人情報や不要な列を削除しておくと安心です。
汎用の列マッピングで、日時・種別・価格・数量・損益などを分析用の項目に割り当てます。列名が違っても意味で対応づけできます。
KPI、エクイティ曲線、ドローダウン、モンテカルロなどが自動で表示されます。前提が違う複数ファイルは分けて比較すると解釈を誤りません。
List of TradesのCSVを読み込めば、いま確認した前提に沿ってKPI・エクイティ・ドローダウン・モンテカルロを可視化できます。まずは無料で基本分析、必要になったら保存・比較・深掘りへ。
CSVを読み込めたら、次は中身の解釈です。目的に応じて次の順で読み進めると、バックテストの信頼性を段階的に確かめられます。
いずれも、この記事で書き出したList of TradesのCSVがあれば、そのまま無料ラボで確認できます。
TradingViewのボタン名・仕様・プラン内容は変更される可能性があります。操作前に公式ヘルプで最新の表示名をご確認ください。SG Groupの機能・無料範囲は現行のプランページの内容が優先されます。