プライスリターンとトータルリターンの違い|指数比較の基本 | SG Group
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株価指数解説 · 最終内容確認 Read in English
INDICES 04 · RETURN TYPE

プライスリターンとトータルリターン:配当を消さずに比べる

同じ指数名でも、価格だけを追う系列と、配当を再投資したと仮定する系列では長期成績が変わります。さらに税引前・税引後、通貨、hedgeの有無が加わります。比較の前にreturn typeをそろえることは、期間をそろえるのと同じくらい重要です。

この記事が役立つ方: 指数の長期チャートを比較する方、配当込み指数の意味を知りたい方、ETFの実績が指数と違う理由を整理したい方。

まず押さえる重要ポイント

RETURN LAYERS

headline returnから投資家リターンまで

  1. Price return

    構成銘柄の価格変化

    配当を再投資しない
  2. Gross total return

    税引前配当を理論再投資

    gross dividendを加える
  3. Net total return

    所定の源泉税を控除

    税率仮定を確認
  4. Product return

    費用・税・複製・取引を反映

    指数と一致を保証しない
return typeは指数の計算規則です。実際の投資家の税・費用・再投資時点は商品と居住地で異なります。
01 · DEFINITIONS

price・gross total・net totalを定義する

price return indexは、構成銘柄の価格変化を反映し、通常の現金配当が権利落ちで株価から外れる影響を埋め戻しません。total return indexは、配当を指数へ再投資したと仮定して系列へ加えます。gross total returnは一般に税引前配当、net total returnは指数メソドロジーが定める源泉税率を控除した配当を用います。

「配当込み」という日本語だけではgrossかnetか分かりません。special dividend、capital repayment、rights issueなどの扱いも指数ごとに確認します。ticker、factsheetのreturn type、methodologyのdividend treatmentを保存し、価格指数とtotal returnを同じ列へ混ぜません。

概念的な関係Total return ≒ price change + dividend income + reinvestment effectProduct excess return ≒ product return − selected benchmark return複利では単純加算と一致しません。日次連鎖、税、通貨換算は正式メソドロジーに従います。
02 · DIVIDENDS

権利落ちと再投資の時点を理解する

企業が配当を支払うと、他条件が同じならex-dateに株価は配当相当分だけ調整され得ます。price indexではその価格低下が残り、total return indexでは指数用配当ポイントを加えて再投資を仮定します。実際の現金支払日は後でも、指数はex-date基準で処理することがあります。

配当利回りが高い市場ほど、長期ではpriceとtotal returnの差が拡大しやすいですが、差は一定ではありません。配当方針、利益、為替、税率、構成銘柄が変わるため、過去の差を固定的な将来上乗せとして使いません。

03 · TAX

grossとnetの差は投資家個人の税額ではない

net total returnの税率は、指数が採用する標準的・制度的な仮定です。投資家の居住地、口座、条約、還付、商品domicileにより実際の源泉税と所得税は異なります。したがってnet indexは比較用ベンチマークであり、個人のafter-tax return計算書ではありません。

比較前にそろえる条件
項目選択肢の例確認先
return typeprice / gross TR / net TRindex name・ticker・methodology
currency現地通貨 / USD / JPYなどfactsheetのcalculation currency
hedgeunhedged / hedged / hedge ratiocurrency index methodology
tax指数の標準税率 / 商品実績 / 個人税index rule・prospectus・税務情報
period同じ開始・終了・closedata timestamp
04 · PRODUCT

指数の再投資とファンドの再投資は違う

指数は摩擦のないルール計算ですが、fundは配当受取のtiming、cash drag、信託報酬、売買費用、源泉税、sampling、証券貸付収益を持ちます。分配型ETFでは現金を投資家へ支払い、accumulating fundでは内部再投資するなど、cash flowも異なります。total return indexへ連動を目指しても毎日一致するとは限りません。

指数と商品の比較では、同じbenchmark share class、同じcurrency、NAVかmarket priceか、分配再投資込みかをそろえます。tracking error記事で差の変動、tracking differenceで平均差を分けて確認してください。

05 · WORKFLOW

チャート比較の実務手順

データを取得したら、formal name、ticker、provider、return type、currency、hedge、tax assumption、timezone、as of dateを列名へ入れます。価格指数しかない場合に配当込み指数と接続せず、欠損期間を明示します。rebasingを100へそろえると水準差を消せますが、定義差は消えません。

比較条件はFinancial Templates Hubへ保存できます。次に指数valuationで配当利回りと利益を、世界指数でcurrency exposureを確認します。

06 · WORKED EXAMPLE

100から始まる二つの指数で差を確かめる

架空のprice indexとgross total return indexをともに100から開始します。1年間の構成銘柄価格が合計3%上昇し、指数ルール上の配当が2%、配当の再投資効果が0.03%だったとすると、price系列は概ね103、gross total return系列は概ね105.03です。翌年は異なる元本から増減するため、長期差は「毎年の配当利回りを最後に足す」方法では再現できません。日次または所定frequencyで連鎖します。

同じ例をnet total returnへ変えるには、単に個人税率を掛けるのではなく、指数methodologyが各市場へ設定するwithholding assumptionを使います。商品比較では、そのnet指数から信託報酬、実際の税、cash drag、sampling差を別に引きます。表計算ではprice、gross TR、net TR、fund NAV、fund market priceを別列にし、途中で系列を接続しません。

よくある質問

配当込み指数は実際に配当を受け取れますか?

指数は計算系列なので現金を支払いません。配当受取は連動商品の保有資産、分配方針、税、費用によります。

gross total returnとnet total returnはどちらを使いますか?

目的次第です。理論的な税引前市場returnならgross、標準的源泉税を反映した比較ならnetが候補ですが、商品benchmarkと一致させます。

price returnとtotal returnの差は配当利回りと同じですか?

短期概算では近い場合がありますが、再投資、構成変更、日次連鎖により単純一致しません。

ETFの成績はtotal return indexと一致しますか?

一致を目標にしても、費用、税、cash、sampling、取引価格などで差が生じます。

根拠資料と確認先

  1. S&P Dow Jones Indices — Methodology Mattersprice returnとtotal returnの公式解説。
  2. S&P Dow Jones Indices — Index Mathematics Methodology配当ポイント、gross・net total returnの計算。
  3. 日本取引所グループ — 指数ラインナップprice、total、net total return系列の公式情報入口。
  4. Investor.gov — Index Funds指数とindex fund、費用、trackingの違い。

編集方針: 公開情報のうち、中央銀行・監督当局・国際機関などの一次資料を優先して確認しています。制度、取引条件、発表時刻は変わるため、実際の判断前にリンク先と利用先の最新情報を確認してください。

重要事項: 本記事は株価指数の仕組みを学ぶための一般的な情報で、特定の商品・銘柄の推奨、売買シグナル、利益の保証ではありません。指数は直接保有できず、連動商品には価格変動、為替、流動性、信用、レバレッジ、費用、税制など固有のリスクがあります。指数提供者の最新メソドロジー、商品説明書、監督当局の情報を確認してください。